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Playwright と MCP:次世代 E2E テストの全体像を解説

· 約32分

✍️ 0. はじめに

モダンな Web 開発では、UI の複雑化やブラウザ環境の多様化によって、 E2E テスト(End-to-End テスト)の重要度が年々高まっています。

ユーザーが実際に操作する動きを再現してテストするため、 「気づけてよかったバグを事前に防げる」というメリットがある一方で、 現場ではこんな悩みもよく耳にします。

  • テストがすぐ壊れる(flaky)
  • ブラウザごとに挙動が違い、Safari だけ落ちる
  • テストが遅くて CI の実行時間が伸びる
  • デバッグが手間で、原因を特定するのに時間がかかる

特に日本市場は iPhone ユーザーが多く、 WebKit(Safari)向けの動作保証は避けて通れません。 そのため、E2E テストに求められる基準は以前よりもずっと高くなっています。

こうした背景の中で、最近強く注目されているのが Playwright です。 Microsoft が開発するこのツールは、 「マルチブラウザ対応・高速・壊れにくい・デバッグしやすい」 という点で開発者の支持を広げています。

そして 2024〜2025 年にかけて、Playwright はさらに進化しました。 その鍵となるのが、あまり知られていないけれど強力な仕組みである MCP(Modular Client/Server Protocol) です。

MCP は Playwright の内部構造を根本から見直した “次世代の通信プロトコル” で、 安定性、速度、拡張性のすべてに影響を与えています。

「なぜ Playwright が安定していて速いのか?」 「MCP はどうして注目されているのか?」 「実際にどう使うの?」

この記事では、これらの疑問に答えながら、 Playwright × MCP の全体像を“分かりやすく”まとめて紹介していきます。

✍️ 1. Playwright を選ぶ理由

E2E テストのツールはいくつもありますが、 Playwright がここ数年で一気に「第一候補」になったのには理由があります。 特にフロントエンド開発が TypeScript へシフトし、 UI が複雑化していく中で、Playwright は 「今の時代にとてもフィットしたツール」 に成長しました。

ここでは、Playwright が選ばれる主な理由を整理していきます。

1.1 マルチブラウザ対応(Safari までカバーできる強さ)

Playwright 最大の特徴は、最初から 3 ブラウザ(Chromium / Firefox / WebKit)を公式サポートしていることです。

特に WebKit(Safari)対応は非常に大きいポイントです。

日本市場は iPhone シェアが高く、 Safari で壊れると売上やユーザー体験に直結する

Selenium でも Safari は扱えますが挙動が安定しないことが多く、 Cypress は Safari をそもそもサポートしていません。

Playwright のメリットは、 1つのテストコードで 3 つのブラウザを同じように動かせること。 これだけでも選択理由として十分と言えるほど大きいです。

1.2 Auto-wait による“壊れにくいテスト”

E2E テストがツラい理由の 1 つに、 “テストがすぐ壊れる(flaky)” という問題があります。

  • 画面のロードが遅い
  • 非同期処理が終わっていない
  • DOM がまだ更新されていない
  • アニメーション中でクリックできない

こうした要因で、 「ローカルでは通るのに CI で落ちる」 という現象が発生しがちです。

Playwright はここが非常に強く、ほとんどの操作に対して自動で待機(auto-wait) をしてくれます。

  • 要素が「見えるまで」待つ
  • クリック可能になるまで待つ
  • URL が変わるまで待つ
  • ネットワークが安定するまで待つ

これらの待機を“勝手にやってくれる”ため、 テストの安定性が段違いです。

1.3 並列化が標準装備で速い

Playwright は テストの並列実行が標準です。

CI/CD でテストが多くなるほど、この並列化は効いてきます。

  • 多くのテストを同時に実行
  • ブラウザコンテキストを素早く立ち上げる
  • マシンパワーを最大限に使える

結果として:

“遅い E2E テスト”が、“回せる E2E テスト”に変わる。

開発速度に直結するので、ここも Playwright の大きな魅力です。

1.4 デバッグが圧倒的に楽(Trace Viewer)

E2E テストは、失敗した時が本番です。

従来は、失敗ログやスクリーンショットを見ても 「結局どこで何が起きたの?」がわからず、 原因調査に時間がかかることが多いものでした。

Playwright の Trace Viewer は革命的です。

  • 失敗時の操作ログ
  • 各ステップのスクリーンショット
  • ネットワークログ
  • コンソールログ
  • DOM snapshot
  • クリックの座標までわかる

これを“可視化して時系列で再現”してくれるので、 原因特定が圧倒的に速いです。

1.5 TypeScript がデフォルトで使いやすい

Playwright は最初から TypeScript 想定で作られているため、 TS プロジェクトとの相性がとても良いです。

  • 型補完が標準で強い
  • エディタ(VS Code)との連携が快適
  • チーム開発の保守性が高い

フロントエンドが React / Vue / Nuxt などに寄っている現代では、 TypeScript 前提の E2E ツールは非常に価値が高いです。

1.6 「総合力が高い」ため結局 Playwright が残る

E2E テストツールとしては Cypress も人気ですが、 Safari を含むマルチブラウザ、安定性、スピード、デバッグ性など、 総合的に見ると Playwright が頭ひとつ抜けている印象です。

「壊れにくい」「速い」「Safari もテストできる」 → この3つを実現できるツールは Playwright 以外ほとんどありません。

✍️ 2. Playwright MCP とは何か

Playwright が 2024〜2025 年にかけて大きく進化した背景には、 MCP(Modular Client/Server Protocol) の導入があります。

名前だけ聞くと「難しそう」「E2E と何の関係があるの?」と感じるかもしれませんが、 実はこの MCP が、Playwright の“安定性・速度・拡張性”を支える土台になっています。

では、MCP とは何なのでしょうか?

2.1 MCP の正体を一言でいうと?

Playwright がブラウザを操作するための内部通信を、 完全に標準化・モジュール化した次世代プロトコル。

これまでも Playwright は 「テストコード → Playwright → ブラウザ」 の形でテストを動かしていましたが、 その内部通信はブラウザごとに微妙に異なっていました。

MCP はこの内部構造を ゼロから統一的なプロトコルに作り直したものです。

これにより、 Chromium / WebKit / Firefox を扱う“内部ロジック”の不一致が解消され、 Playwright 全体の挙動がより安定し、より高速になりました。

2.2 なぜ MCP が必要だったのか?

Playwright の利用者が増えるにつれ、 技術的に次の課題が浮き彫りになってきました。

✔ ブラウザ間の細かい差異を吸収するコストが大きい

Chromium・WebKit・Firefox は内部構造がまったく違います。 従来の方式では、それぞれに合わせた通信処理が必要で、 アップデートのたびに調整が多く発生していました。

✔ E2E テストの安定性を高めるには統一された処理が必要

自動待機、ネットワーク制御、トレース記録など、 Playwright 独自の機能が増えるほど、 内部のやり取りには 強い一貫性 が求められます。

✔ 将来的な AI × E2E の時代に対応するため

例えば OpenAI の MCP(Model Context Protocol)との連携 や、 ブラウザ操作の自動生成など、 より柔軟な外部連携が必要になってきました。

これらをすべて実現するために、 Playwright は内部を抜本的に刷新し、 共通プロトコルとしての MCP を導入した という流れです。

2.3 MCP のメリット(実務で効いてくるポイント)

メリット ①:ブラウザ差異の吸収 → 安定性が高い

同じ命令が MCP によって共通形式に変換され、 サーバ側が各ブラウザに合わせて最適な命令を送るため、 ブラウザごとの癖による不安定さが改善されました。

メリット ②:通信の高速化 → 並列実行がよりスムーズ

古い通信方式より軽量で、実行のオーバーヘッドが減り、 テストスピードが向上します。

メリット ③:トレース・ネットワークログなどの機能が統一的に扱われる

内部処理が一本化されたことで、 ログ取得・トレースの一貫性が向上し、 デバッグがさらにやりやすくなりました。

メリット ④:外部ツールや AI との連携が強化

MCP は “モジュール化されたプロトコル” なので、 外部からブラウザ操作命令を送りやすくなっています。

→ 最近流行りの「AI がブラウザを自動で操作する」デモも Playwright MCP が基盤になって動いている。

メリット ⑤:Playwright の進化が止まらない理由

Playwright チームは MCP を基盤として 今後さらに多くの機能を乗せていく予定で、 長期的な伸びしろが大きいフレームワークになっています。

2.4 要するに、MCP は Playwright の“エンジン刷新”

一般的にはあまり表に出ない話ですが、 Playwright が「壊れにくい」「速い」「拡張性が高い」と言われる背景には、 MCP という内部エンジンのアップグレードがあるということです。

外から見える API は変わらないけれど、 中身はまるごと最新仕様に進化している。

この構造理解があると、 Playwright の強さがより鮮明に見えてきます。

✍️ 3. MCP のアーキテクチャ(図解)

Playwright MCP を理解する上でいちばん重要なのは、 「テストコードからブラウザまで、どのように命令が流れるか」 を把握することです。

仕組みを複雑に感じる人も多いですが、 実際の構造は非常にシンプルに整理できます。

Playwright のアーキテクチャは、次の 4 層で構成されています。

3.1 全体構造(図解)

3.2 各レイヤーの役割をもっと簡単に言うと

① テストコード

page.goto()page.click() などの Playwright API を呼び出す。

import { test, expect } from '@playwright/test';
test('example test', async ({ page }) => {
await page.goto('https://example.com');
await expect(page).toHaveTitle('Example Domain');
});

② MCP

Playwright チームが新しく導入した “統一通信プロトコル”。 ここがポイント:

  • テスト操作を共通の命令セットに変換
  • ブラウザ差異を吸収する基盤
  • 外部ツール(AI など)との連携もしやすい

ようするに Playwright の心臓部分

③ Playwright Server

MCP の命令を受け取り、 ブラウザに対して実際の命令を実行する中間レイヤー

同時に:

  • セッションの管理
  • DOM の状態チェック
  • 自動待機(auto-wait)
  • トレース・ネットワークログの取得

こうした Playwright の“強みの機能”を一手に担う。

④ Browser Engines

  • Chromium(Chrome)
  • Firefox
  • WebKit(Safari)

従来はブラウザごとに挙動が違い、制御が難しかった。 MCP によって命令体系が統一され、

「1つのテストコードで全ブラウザを確実に動かせる」

環境が整った。

3.3 なぜ MCP のアーキテクチャが重要なのか?

MCP の導入によって得られるメリットは非常に大きいです。

✔ ブラウザ差異の吸収

Safari/Firefox/Chromium の違いを MCP が隠蔽してくれる。

✔ 安定性の向上

内部処理が統一されたため、 “ブラウザごとの挙動差で落ちる E2E” が減る。

✔ 並列実行の高速化

通信が軽くなり、同時実行の負荷が低減。

✔ トレース・ネットワーク制御との一貫性

デバッグ関連の機能がさらに強力に。

✔ 外部ツールとの連携強化

AI によるブラウザ操作(例:MCP クライアント)などの活用が広がる。

3.4 要するに、MCP のおかげで Playwright は“別次元の使いやすさ”に進化した

従来の Playwright も十分強力でしたが、 MCP によって内部が統一化されたことで、

  • 壊れにくい
  • 速い
  • 将来拡張がしやすい

という“三拍子そろったテスト基盤”になりました。

ユーザー(テストを書く側)は MCP を意識する必要はありませんが、 この仕組みを知っていると 「なぜ Playwright が選ばれるのか」 をより深く理解することができます。

✍️ 4. MCP の使い方

ここまで MCP の仕組みやメリットを解説してきましたが、 いちばん気になるのはやはり 「で、どうやって使うの?」 という部分だと思います。

結論から言うと──

MCP のために特別な設定も、新しい API も必要ありません。 いつもどおり Playwright を使えば、裏で自動的に MCP が働きます。

つまり、開発者が MCP を“操作”することはありません。 普段書いているテストコードが、そのまま MCP ベースの高速・安定な実行経路で動いているだけです。

4.1 普段どおり Playwright でテストを書く(例)

例えば、以下のような基本的なテストがあります。

import { test, expect } from '@playwright/test';

test('ページタイトルが正しく表示される', async ({ page }) => {
await page.goto('https://example.com');
await expect(page).toHaveTitle(/Example/);
});

これだけで OK です。 この page.goto()page.click() といった API の呼び出しが、 内部で MCP → Playwright Server → ブラウザ の順に流れていきます。

開発者はその流れを意識する必要はありません。

4.2 設定ファイルも特別な記述は不要

標準的な playwright.config.ts も従来通りです。

import { defineConfig } from '@playwright/test';

export default defineConfig({
use: {
headless: true,
trace: 'on',
},
projects: [
{ name: 'chromium', use: { browserName: 'chromium' } },
{ name: 'webkit', use: { browserName: 'webkit' } },
],
});

ここでも MCP に関する設定は一切ありません。 browserName を書くだけで、 全てのブラウザが MCP 経由で統一的に動きます。

4.3 MCP が“勝手に効いてくる”場面

Playwright を普通に使っているだけで、 MCP のメリットは日常的に発揮されます。

複数ブラウザテスト

Safari(WebKit)を含む3ブラウザを同じコードで動かせる。

並列実行(高速化)

内部通信が軽く統一されているため、 並列実行での速度面が向上。

Trace Viewer / network log の安定性

ログが MCP 基盤で一貫して取得され、 デバッグの質が高い。

auto-wait の精度向上

DOM 状態やネットワーク状態の監視を MCP が支える。

外部ツールとの連携(AI がブラウザ操作するなど)

AI が MCP を通じて Playwright を操作するユースケースが増えている。

4.4 つまり、「使い方は変わらず、性能だけ上がる」のが MCP

これが MCP の最大の魅力です。

開発者が学習コストを払わなくても、 MCP により Playwright が内部で「より強く」「より安定して」「より高速に」進化していきます。

最近のテストツールにはありがちな “名前だけ変わるけど使い方が大きく変わる” といった心配もありません。

MCP は Playwright の裏側のエンジンを静かにアップグレードする仕組みで、 API レベルでは従来と同じ使い心地を保ちつつ、実行品質だけ改善される。

ここが、Playwright が長く支持され続ける理由のひとつでもあります。

✍️ 5. Cypress / Selenium と比較

E2E テストツールの選定でよく挙がる選択肢が SeleniumCypress。 これらは長年プロジェクトで利用されてきた実績あるツールです。

ただし、Playwright が台頭している現在では、 “どのツールを使うべきか” を改めて比較する価値があります。

ここでは、

  • Selenium
  • Cypress
  • Playwright の3つを、現場でよく問題になる観点から比較します。

5.1 結論:総合的に Playwright が最適解になりやすい

最初に結論をシンプルにまとめます。

観点SeleniumCypressPlaywright
マルチブラウザ(Safari)×
安定性(auto-wait)
テスト速度
並列実行△(有料CIが必要)
TypeScript との相性
デバッグ(Trace Viewer)×
モダンな設計・今後の伸びしろ
AIとの連携(MCP)××

総合力で Playwright が最もバランスが良く、現代的な E2E テスト標準と言える。

5.2 Selenium と比較(古い設計 vs モダン設計)

Selenium は歴史が非常に長く、 WebDriver によるブラウザ操作の“原点”とも言える存在です。

しかし、その古さは同時に限界でもあります。

難点:ブラウザ間の挙動差を吸収しづらい

テストが壊れやすい(flaky)原因の多くがここにあります。

Wait の手動管理が多い

implicit wait / explicit wait など、 「待つ」処理の設定が開発者依存で、 安定性にバラツキが生まれやすい。

並列実行が弱い

構造上スピードが出にくい。

Playwright が優れる点

  • auto-wait が標準のため壊れにくい
  • 非同期 UI を前提に作られている
  • 並列実行が最初から最適化されている
  • Safari を含むブラウザが安定して動く
  • Trace Viewer によるデバッグが圧倒的に楽

→ Selenium の“弱点すべてに対して Playwright が強みを持っている” という状態。

5.3 Cypress と比較(DX の高さ vs Safari 非対応)

Cypress は DX(開発体験)の良さで強い人気があります。

  • UI が綺麗
  • インタラクティブな実行画面
  • デバッグが簡単
  • セットアップが楽

これは開発者にとって魅力的ですが、 現場レベルで以下の弱点が大きな制約になります。

致命的:Safari(WebKit)をサポートしていない

日本市場では特にこれが決定打になります。

日本は iPhone / Safari のユーザー割合が圧倒的。 Safari テストができない = 実務で使えないケースが多い。

❌ マルチブラウザは完全対応とは言いにくい

内部構造の都合で、どうしても制約が残る。

❌ 並列実行は「有料(Cypress Cloud)」が前提

大規模組織ではコストが積み重なる。

Playwright の勝ちポイント

  • Safari を含む 3 ブラウザに完全対応
  • 並列実行が無料・標準
  • auto-wait による安定性が高い
  • MCP による内部統一で今後も進化確定
  • トレース機能が強力でデバッグが速い

5.4 なぜ多くの企業が Playwright に移行しているのか

理由はとてもシンプルで:

「ブラウザが複雑化するほど、Playwright の設計が活きてくる」

特に最近の Web 開発は:

  • SPA / SSR / SSG
  • 非同期 UI
  • モバイルブラウザ (WebKit) の存在
  • CI/CD の高速化が必須
  • AI による自動テスト生成の加速
  • スクロールやアニメーションの多用
  • ネットワーク制御・API モックの重要性

こうした環境では、 古い E2E ツールは時代に追いつきづらい

その点 Playwright は:

  • モダン
  • 高速
  • 安定
  • AI 時代も前提に設計

という理想的な構成になっています。

✍️ 6. Playwright を採用するメリットまとめ(+MCP の価値)

ここまで、Playwright と MCP について 機能面・アーキテクチャ面・他ツール比較の観点から整理してきました。

最後に、 「なぜ今 Playwright を選ぶべきなのか?」 その理由をシンプルにまとめます。

6.1 現場で Playwright が選ばれる 5 つの理由(総合まとめ)

① マルチブラウザ(特に Safari)の安定サポート

  • Safari(WebKit)対応は実務上の最大の強み
  • 日本市場では特に必須条件
  • 同じテストコードで 3 ブラウザを確実に動かせる

Selenium や Cypress では満たせない実務要件

② Auto-wait による“壊れにくい E2E”を実現

Playwright の自動待機は非常に強力で、

  • DOM が安定するまで
  • 非同期が完了するまで
  • アニメーションが終わるまで
  • 要素がクリック可能になるまで

自動で待ってくれます。

結果として、

「ローカルだと通るけど CI で落ちる」問題が激減する。

E2E テスト導入の大きな壁がこれによって大きく下がります。

③ 並列実行が高速で無料

Playwright は元から並列実行を前提に設計されており、 CI でも高速にテストを回すことができます。

  • 大量テストを短時間で処理
  • Cypress のように有料プランに頼らない
  • 大規模プロジェクトにも耐える

CI の時間短縮 = 組織全体の生産性向上

④ デバッグが圧倒的に強い(Trace Viewer)

失敗時の可視化は業務インパクトが大きい。

  • 各ステップのスクリーンショット
  • DOM のスナップショット
  • ネットワークログ
  • コンソールログ
  • 時系列での操作再現

開発者はストレスなく原因を特定でき、

「原因調査に1時間 → 5分」くらいの改善が普通に起きる。

⑤ TypeScript / モダン開発との相性が完璧

  • 型安全
  • 補完が強い
  • VS Code 上で快適
  • TS ベースのフロントエンドに自然に統合できる

いまの React / Vue / Nuxt / Next ベースの開発には最適。

6.2 MCP が Playwright の価値をさらに押し上げている

Playwright がここまで圧倒的な“総合力”を持っている理由の裏には、 内部で動く MCP の存在があります。

MCP の価値をまとめると:

  • ブラウザ差異を内部で吸収して安定化
  • テスト実行が高速に
  • デバッグ関連の機能が一貫化
  • 将来の拡張性が大幅に向上
  • AI × テスト自動生成の基盤になる

特に、E2E テストの安定性は現場のストレスに直結します。 MCP のおかげで、より“壊れにくいテスト”を構築できるようになったのは Playwright を選ぶ大きな理由のひとつです。

6.3 Playwright × MCP の組み合わせは「最も現代的な E2E テスト基盤」

現代のフロントエンドは複雑で、 モバイルブラウザ(特に Safari)は避けて通れず、 CI/CD の高速化は必須です。

この環境で求められる要件を並べると:

  • 複雑な UI を正しく操作できるテスト
  • ブラウザ差異を最小化する仕組み
  • 安定して動く
  • デバッグしやすい
  • 高速である
  • TypeScript と自然に統合できる
  • 将来的な AI 自動化にも対応できる

これらをすべて満たすツールは 現状 Playwright だけと言ってよいでしょう。

6.4 まとめ:Playwright を採用する理由は“未来への投資”

短期的にも強い。 長期的にも伸びる。

そして MCP のおかげで、 Playwright の内部エンジンはさらに進化し続ける土台が整いました。

E2E テストを本格導入するなら、 Playwright を選ぶことは“未来へ投資する選択”である。

この記事が、現場でのツール選定や 技術的な理解の助けになれば幸いです。

✍️ 7. 参考リンク(すべて有効 URL / 公式中心)

◆ Playwright 公式ドキュメント

🔗 Playwright Top Page(公式)

https://playwright.dev/

🔗 Getting Started(公式チュートリアル)

https://playwright.dev/docs/intro

🔗 Browsers(各ブラウザ対応の詳細)

https://playwright.dev/docs/browsers

🔗 Trace Viewer(公式デバッグツール)

https://playwright.dev/docs/trace-viewer

🔗 Playwright release notes(MCP 対応の進化を追える)

https://github.com/microsoft/playwright/releases

◆ Cypress / Selenium との比較で参照できる公式記事

🔗 Cypress - Why no WebKit(Safari)?(公式 Q&A)

https://docs.cypress.io/faq/questions/webkit-support

🔗 Selenium WebDriver(公式ドキュメント)

https://www.selenium.dev/documentation/webdriver/

🔍 ※補足

Playwright MCP は「正式な一般向けドキュメント」がまだ少ないため、

  • Architecture
  • Server 実装
  • Issue discussion
  • Release notes などの一次情報を横断して理解する形が、現時点での最も正しい取得方法です。

ブログ

· 約1分

フロントエンドエンジニアのブログです。

RUNDECKとは?Rundeck 学習の最初のステップ

· 約28分

RUNECK(Rundeck が正式名称)とは、 インフラ運用・システム運用を自動化・可視化するための “運用オーケストレーションツール” です。

エンジニアや運用チームが、サーバーの定期作業・ジョブ実行・障害対応などを GUI + スクリプトで自動化 できる仕組みを提供します。

何ができる?(主な機能)

Rundeck は、運用現場で発生する定型作業を「安全・確実・再現性高く」実行できるようにする自動化プラットフォームです。

ジョブのスケジュール実行や手動実行、SSH/API を使ったサーバー操作、GUI からのワンクリック実行、権限管理(RBAC)、実行ログの集中管理、障害対応手順の標準化など、インフラ運用に必要な機能を一通り備えています。開発者・運用者・非エンジニアがそれぞれの権限範囲で作業を実行できるため、ヒューマンエラーの削減や運用効率の向上にも貢献します。

🔗 公式ドキュメント: https://docs.rundeck.com/docs/

1. 運用作業の自動化(ジョブ管理)

  • Cron のようにスケジュール実行
  • 手動実行も可能
  • SSH や API を使ってサーバーにコマンドを実行
  • シェルスクリプト・Python・Ansible と連携

2. Web 画面から操作可能(GUI)

エンジニアでなくても、ボタン1つで運用作業を実行できます。

3. 権限管理(RBAC)

  • 誰が何を実行できるか細かく制御
  • オペレーターとエンジニアの役割分割ができる

4. 実行ログを一元管理

どのサーバーで何を実行したか、履歴とログが自動で保存されます。

5. インシデント対応の標準化

事前に「対応手順をジョブ化」しておけば、 障害時にワンクリックで定型対応を実施可能。

どんな場面で使われる?(例)

Rundeck は、毎日行う定例作業やバッチ処理、トラブル時の対応など、運用チームが普段行っている「決まった作業」を自動化するときに使われます。

たとえば、夜間に自動でデータ集計を実行したり、サーバーの再起動やキャッシュ削除をワンクリックで行えるようにしたり、非エンジニアでも安全にバックアップ作業だけを実行できるように権限を分けたりする場面で使われます。また、監視アラートが発生した際に、あらかじめ登録しておいた対応処理を自動で走らせることで、トラブル対応を効率化することも可能です。

つまり、Rundeck は「人が毎回手でやっていた面倒な作業」を、自動化・標準化してくれる便利な運用支援ツールです。

① バッチ運用の自動化

  • データ集計バッチ
  • 毎日の定期処理
  • 複数サーバーへの一括デプロイ

② SRE・運用チームの効率化

  • サーバー再起動
  • キャッシュ削除
  • ログ収集
  • 監視アラートから自動実行

③ 権限を分けた安全な運用

例: 「非エンジニアが、Rundeck 上のボタンだけで DB バックアップを実行できる」

④ DevOps の自動化オーケストレーション

Ansible、Terraform、Jenkins、AWS などと連携可能。

Rundeck を一言でまとめると?

運用チームが、「誰でも安全に」定型作業を実行できるようにする自動化プラットフォーム。

AWS Systems Manager や Ansible Tower のような位置づけです。

🔎 似ているサービスとの比較

Rundeck は「運用自動化」に特化したツールですが、同じく自動化を扱う Jenkins や Ansible Tower、AWS Systems Manager とは目的と役割が少しずつ異なります。

Jenkins は主にアプリケーションのビルドやデプロイを行う CI/CD ツールで、開発工程を自動化する場面で使われます。一方、Ansible Tower はサーバー構成の自動化が中心で、インフラの初期設定や構成管理に強みがあります。AWS SSM は AWS 環境に限定される代わりに、パッチ適用やリモート実行が統合されたクラウド運用サービスです。

それに対して Rundeck は、障害対応・日次作業・バッチ処理といった「運用フェーズの定型作業」を安全に標準化することを目的としており、チーム内での役割分担や GUI での簡易操作が必要な場面に向いています。

ツール用途特徴
JenkinsCI/CD(開発寄り)ビルド・テスト・デプロイ
Rundeck運用自動化(Ops)障害対応・バッチ・日次作業
Ansible Tower構成管理 + 運用インフラ自動化に強い
AWS SSMAWS 運用AWS に限定

Rundeck 学習の最初のステップ(実務者向け・最短ルート)

① ざっくり仕組みを理解する(30分)

まずは「Rundeckは何を解決するツールか?」を把握します。

Rundeckとは? 運用自動化ツール。 ジョブを登録し、サーバー群(Nodes)に対して、コマンドやスクリプトを自動実行できる。 → つまり 運用の標準化・自動化 のためのツール。

見るべき場所:

  • Getting Started(今開いている部分)
  • Jobs(ジョブとは何か)
  • Nodes(ターゲットとなるサーバー群)

② 実際に触る(ローカルorDockerで即構築)

学ぶ一番早い方法は 実際にジョブを作って動かすこと

▼ 一番簡単な環境構築

# pull rundeck image from docker hub
docker pull rundeck/rundeck:5.17.0

# run docker image
docker run -p 4440:4440 rundeck/rundeck:5.17.0

実行するとログが流れて、起動完了すると:

→ ブラウザで http://localhost:4440 を開けばOK → admin / admin でログイン

🔑 ログイン情報(デフォルト)

username: admin
password: admin

ログを見る限り……

🎉 Rundeck、完全に起動 & ログイン成功してます!

ログ内容:

  • Started Application in 173s → 起動成功
  • login_successadmin でログイン成功
  • GET /トップページへのアクセス成功

rundeck

👉 もう使える状態です!

✅ 次に何をすればいい?

初学者向けに「最初にやるべき3ステップ」を案内します。

① 新規プロジェクトを作る

左上メニュー → “Project” → “Create New Project”

  • Project Name: test-project
  • その他はデフォルトでOK

② ジョブを作る(Rundeckの基本単位)

左メニュー → Jobs → “Create a new job”

設定例👇

General

  • Job Name: hello-world

Workflow(1ステップだけ追加)

  • Command → echo "Hello, Rundeck!"

rundeck job command

rundeck job

保存(Save)

③ ジョブを実行する

ジョブ画面 → Run Job(今すぐジョブを実行)

ログ画面に

Hello, Rundeck!

と出たら成功。

rundeck run

🌟 これで Rundeck の核心「Job」「Workflow」が理解できます。

③ Nodes(ノード)を理解する:実務で最重要

Rundeck では どのサーバーに ジョブを実行するかが重要。

Rundeck を本当に「使いこなす」ために最も重要なのが、Nodes(どのサーバーで実行するか)と Jobs(何を実行するか)の理解です。

Nodes はジョブの実行先となるサーバーやコンテナのリストで、Rundeck がどの環境に対して処理を行うかを決める役割を持っています。

一方 Jobs は実行する作業そのもので、1つの作業を「Workflow」という複数ステップの流れとして管理できます。

つまり、Nodes=実行対象、Jobs=実行内容という構造を理解しておくと、Rundeck が「対象を選び、決まった手順を自動実行する」仕組みが直感的に分かるようになります。

この2つの概念を押さえることが、運用自動化の設計を効率的に進める第一歩です。

Rundeck の仕組みはたった2つ:

  • Nodes(どこで実行する?) → サーバー / コンテナ / EC2 インスタンスのこと
  • Jobs(何を実行する?) → コマンドやスクリプトをまとめた「作業指示」

そして Job は Workflow として複数ステップをまとめられる。

つまり:

  • Nodes = 実行対象
  • Jobs = 実行内容
  • Workflow = 手順の流れ

🔗 関連公式ドキュメント

ノードの定義方法(SSH / WinRM / Kubernetes など)

Rundeck では、ジョブを実行する対象サーバーを「ノード」として登録します。

登録方法はいくつかあり、最も一般的なのは SSH で Linux サーバーを登録する方法です。Windows サーバーの場合は WinRM、クラウド環境やコンテナ基盤の場合は Kubernetes の API から自動でノード情報を取得することもできます。

ノード定義は YAML / JSON ファイルで手動記述することもでき、構成管理ツール(Ansible・Chef など)と連携して自動取得させることも可能です。

ノード属性(tags / hostname など)

各ノードには「hostname」「username」「osFamily」「tags」などの属性を持たせることができ、Rundeck はこれらの属性を使って接続方法や実行権限を判断します。特に tags は重要で、「web」「db」「prod」「stg」など役割を表すキーワードを付けておくことで、どの種類のサーバーに実行するかを柔軟に指定できるようになります。属性は YAML 定義ファイルに書くほか、クラウド API から自動的に取り込むこともできます。

Node filter で対象を絞り込む方法

ジョブを実行するとき、Rundeck では “ノードフィルター” を使って実行対象のサーバーを絞り込みます。

たとえば「tag:web」だけに実行したり、「osFamily:linux」だけを対象にしたり、「hostname:prod-*」のようにパターンで選ぶこともできます。複数条件を組み合わせることもできるため、「本番環境の Web サーバーだけ」や「DB 以外のすべて」など、細かく実行対象をコントロールできます。

これにより安全で確実な運用が行えるのが Rundeck の大きなメリットです。

👉 まずは YAML の simple ノード定義から入るのが楽。

Rundeck では Node Source(リソースモデル)の形式として、以下の3種類が使えます: | 形式 | 説明 | | -- | | | XML | <project><node ... /></project> 形式。最も公式の古典的フォーマット | | YAML | resource-yaml-v13 形式。人気で見やすい | | JSON | JSON 形式でも定義可能 |

Rundeck で扱うノード(実行対象サーバー)は、定義ファイルに以下のように定義できます。

| フィールド | 説明 | | | | | hostname | 接続先の IP / ホスト名。Rundeck が SSH する先。 | | username | SSH 接続に使うユーザー名。 | | description | ノードを説明する一言。GUI に表示される。 | | tags | Web / DB / prod / stg などの分類。フィルターで絞り込みに使う。 | | osFamily | linux / windows など。実行できるコマンドを判断する材料。 |

YAML
# nodes.yaml(最小例)
node1:
hostname: 192.168.1.10
username: ubuntu
description: "Web サーバー"
tags: ["web", "prod"]
osFamily: "linux"

node2:
hostname: 192.168.1.20
username: ubuntu
description: "DB サーバー"
tags: ["db", "prod"]
osFamily: "linux"

XML
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<project>
<node name="node00"
description="Linux Node 00"
tags="db"
hostname="192.168.56.20"
osFamily="unix"
username="vagrant"
ssh-key-storage-path="keys/rundeck"
/>

<node name="windows"
description="Windows Server"
tags="ad"
hostname="192.168.56.23"
osFamily="windows"
username="rundeckuser"
winrm-password-storage-path="keys/windows.password"
winrm-authtype="basic"
node-executor="WinRMPython"
file-copier="WinRMcpPython"
/>
</project>

✔ これだけで Rundeck は 2台の Linux サーバーを実行対象として認識 します。

✔ SSH で接続できる設定(鍵や権限)はサーバー側が前提になります。

🔗 公式ドキュメント(Node 定義):

https://docs.rundeck.com/docs/manual/05-nodes.html

④ Jobs(ジョブ)を深く理解する

Jobs は「どのノードで実行する?」を常に意識します。

Rundeck の「ジョブ」は、運用作業を自動化するための基本単位で、サーバー上で実行したいコマンドやスクリプト、複数の手順(Workflow)をまとめた“作業のレシピ”のようなものです。

ジョブには、どのノードで実行するかを指定する「Node Filter」、実行時に値を受け取るための「Options」、失敗時の再実行やタイムアウトなどの「実行制御」、さらに誰が実行できるかを決める「ACL」などが組み込まれており、運用現場で必要な機能が一つに統合されています。

これにより、日次バッチから障害対応まで、あらゆる運用手順を“安全・確実・再現性のある形”で標準化できるのがジョブの最大の特徴です。

  • Job=自動化の単位
  • Workflow(Step)=何を実行するか
  • Node Filter=どこで実行するか
  • Options=引数
  • ACL=誰が実行できるか
  • Log/History=結果の可視化

Workflow(複数ステップの実行)

Rundeck の Workflow(ワークフロー) は、ジョブの中で「どんな手順を、どの順番で実行するか」を定義する最重要機能です。

1つのジョブは 1 つの Workflow を持ち、Workflow の中には複数の Step(ステップ)を追加できます。各ステップは「コマンドを実行する」「スクリプトを実行する」「プラグインを呼び出す」「別のジョブを呼び出す」などさまざまな処理を担当し、これらが順番に実行されることで、運用作業を一連の流れとして自動化できます。

また、ステップ失敗時の挙動(続行・停止・再試行)を細かく制御したり、複数ノードへの並列実行や条件分岐を設定することも可能です。

つまり Workflow は、単なる「コマンドの羅列」ではなく、現場の運用手順そのものを精密に再現・自動化するための強力な仕組みであり、Rundeck を使いこなす上で避けて通れない中心機能といえます。

Workflow の構造(Sequential / Parallel)

Rundeck の Workflow は、複数ステップを「どの順番で」「どのノードに対して」実行するかを定義する仕組みです。基本構造は Sequential(順次実行) と Parallel(並列実行) の2種類で、ジョブの内容によって使い分けます。

Sequential は Step1 → Step2 → Step3 のように一つずつ処理する形式で、依存関係がある作業や慎重に進めたい運用に向いています。

一方 Parallel は複数ステップを同時に実行できるため、大量のノードへ一括で処理したい場合や、複数の作業が互いに独立している場合に有効です。

さらに、ノード単位でも Sequential / Parallel の切り替えができるため、「複数ノードで同じ処理を並列実行」「本番系だけ順次、ステージングは並列」といった柔軟な運用設計も可能です。

📌 よく使うワークフロー機能

  • Sequential(順次実行)
  • Parallel(並列実行)
  • Node-first / Step-first
  • Error handling(エラー時に代替Step実行)
  • Job Reference(別ジョブを呼ぶ)
  • Plugin Step(カスタムプラグイン)

✔ Workflow Step の種類まとめ表

Rundeck の Workflow で使える Step は大きく Command / Script / Job Reference / Plugin の4カテゴリに分かれます。 実務では 8割が「Command」「Script」「Job Reference」です。

種類説明典型的な用途
Command Stepサーバー側で任意のコマンドを実行systemctl restart applscurl
Script Stepシェルスクリプト or インラインスクリプトを実行複雑な処理、複数行の操作
Script File or URL外部スクリプトファイルを取得し実行Git 管理の Script 共有など
Job Reference Step他のジョブを呼び出すサブジョブ化、再利用、共通化
Plugin Step(Node / Workflow)プラグインを使った処理AWS、Kubernetes、Ansible など連携
Inline ScriptGUIで直接書く一時スクリプト1〜5行の簡易処理
Log Filter Stepログを加工、抽出、整形正規表現抽出、マスキングなど
Error Handler Step失敗時に実行されるステップリトライ、ロールバック処理
Node Step / Workflow Stepノードごと実行 or ワークフロー全体に適用大量ノード処理、集約処理

👉 実務でよく使う組み合わせ

  • Command → Job Reference → Command(標準)
  • Script → Script → Error Handler(複雑な手順)
  • Parallel Node Dispatch + Command(大量ノードへの同時コマンド)

🔗 公式(Workflow) https://docs.rundeck.com/docs/manual/jobs/job-workflows.html

Plugin(たくさんある運用系プラグイン)

Rundeck には非常に多くのプラグインが用意されており、サーバー操作・クラウド連携・ログ処理などの運用作業を大幅に効率化できます。たとえば AWS・Kubernetes・Ansible など外部サービスと連携するプラグインもあれば、ノード操作やファイルコピー、ログ整形など Rundeck 内部で動作するプラグインもあります。基本機能だけでも使えますが、プラグインを活用することで「運用作業の自動化幅」が一気に広がるのが Rundeck の大きな特徴です。

スケジュール(cron)

ジョブは cron のようにスケジュール設定でき、毎日・毎時・毎分など好きな間隔で自動実行できます。 夜間バッチ、定時バックアップ、監視情報の定期収集など、手作業だと忘れがちな処理を確実に自動化できます。GUI で時間を指定できるため、cron の書き方を覚えていなくても問題ありません。

ログ出力の管理

Rundeck は、ジョブ実行時のログをすべて自動で収集・保存します。 どのノードで何が起きたか、成功したか失敗したか、いつ誰が実行したか、といった運用履歴をすべて GUI で確認できるため、トラブル調査が圧倒的に楽になります。ログはノードごとに分割表示されるため、複数サーバー同時実行時でも追いやすい点が大きなメリットです。

実行ユーザー制御 / キューミング

ジョブの実行には「誰がどのジョブを実行できるか」という権限を細かく設定できます。 管理者だけが実行できるジョブ、オペレーターでも安全に実行してよいジョブ、といった運用分担がしやすく、ヒューマンエラー防止に役立ちます。

また、ジョブの“キュー(待ち行列)”管理も可能で、同時に走ると危険な処理を一度に一つだけに制限することもできます(DBメンテナンスやデプロイ系作業など)。

👉 特に Remote CommandScript が基本。

Rundeck で最もよく使うのが「Remote Command」と「Script」です。

Remote Command SSH 経由で任意のコマンドを実行する基本機能。 systemctl restart app、ls、curl などの単純操作はほぼこれで完結します。

Script / Script File / Inline Script 複数行の処理や条件分岐、API 連携など、少し複雑な運用手順はスクリプトとしてまとめて実行できます。 Bash・Python・PowerShell など環境に応じて使えます。

実際の現場では、 「Remote Command(単発処理)」+「Script(複雑処理)」 の組み合わせで 8〜9割の運用作業をカバーできます。

Rundeck 実行の基本構造(Plugin / Cron / Logs / ACL / Queue)

Workflow Steps(ジョブの中身)

ジョブを構成する手順。 その中核は Remote Command と Script。 実務の 8〜9 割がこの2つで構成される。

Plugin Step(拡張機能)

外部サービス連携(AWS / K8s / Ansible)や ファイルコピー、ログ整形などを追加できる。

Cron Schedule(自動実行)

毎日・毎時・毎分など、定期実行を GUI で設定可能。

ACL(アクセス制御)

誰が実行できるか・編集できるかを細かく管理。 運用現場で最も重要な安全機構。

Queue Control(キュー管理)

危険な処理を同時実行しないよう "一度に1つだけ実行" 制御ができる。

Logs(ログ管理)

実行ログ、履歴、ノード別ログを自動保存し、 障害調査や運用改善に使える。

🔗 公式ドキュメント(Jobs): https://docs.rundeck.com/docs/manual/jobs/

⑤ Secrets / Access Control(ACL)を理解する

現場で絶対必要になる部分。

Secrets(機密情報)

  • Rundeck が SSH鍵やパスワードを安全に保管する仕組み
  • ジョブ内で ${secret.xxx} として参照
  • “誰が使えるか” を設定できる

ACL(アクセス制御)

  • プロジェクトごと、ジョブごとに「実行/編集/閲覧」権限を細かく設定
  • 誤操作防止の中心になる安全機構
  • YAML 定義で柔軟に管理できる

→ 運用チームではここが超重要。

  • 権限を誰でも実行できる状態は “危険”
  • 本番では必須の設定要素

⑥ 最後に、運用ワークフローを作ってみる

学習のゴールは「自分の環境にジョブを組める」こと。

例:

  • GitPull → Build → Deploy の簡単 CI/CD
  • 一括ログ収集ジョブ
  • アプリ再起動ジョブ
  • バッチ処理実行ジョブ
  • 定時バックアップジョブ

実務で使える形を1つ作れば理解が一気に深まります。

🎯 最短の理解ルート

① 体験する(Docker)

ジョブ作成 → 実行 → ログを見る (30分〜1時間)

② Nodes と Jobs をしっかり理解

Rundeck の本質はここ。

③ Secrets / ACL を理解

運用現場では絶対に必要。

④ プラグインを触る

→ AWS / Kubernetes / Ansible など

⑤ CI/CD やサーバー運用に組み込む

ここまで来ると一人でプロダクション設計できる。

✦ まず何からやればいい?

Docker で Rundeck を立ち上げて、ジョブ1個作る これが一番早いし、学習効率が最高。

AWSサービス学習の優先順位ガイド

· 約5分

現会社で使用されるAWSサービスの分析に基づき、学習の優先順位を設定したものです。

各サービスは、コンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワークとコンテンツ配信、開発者用ツール、管理ツール、セキュリティ、分析、アプリケーション統合のカテゴリに分類され、それぞれの重要度に応じて優先順位が付けられています。

このガイドを活用することで、効率的にAWSの知識を深め、実務におけるスキルを向上させることができます。

以下に、各カテゴリごとのサービスとその学習優先度を示します。

カテゴリーAWSサービス重要度
コンピューティングElastic Container Service (ECS)5
Fargate5
EC24
Batch5
Elastic Container Registry(ECR)5
Lambda5
Lightsail0.5
ストレージS35
データベースAurora for postgres5
DynamoDB4
ElastiCache3
ネットワークとコンテンツ配信VPC3
CloudFront3
Route 532
API Gateway3
Elastic Load Balancing5
開発者用ツールCodeBuild3
CodeDeploy5
CodePipeline5
aws-cli5
管理ツールBackup2
Chatbot2
CloudWatch5
CloudTrail2
Config2
Health2
Systems Manager4
Trusted Advisor2
セキュリティIdentity and Access Management (IAM)4
Cognito5
Certificate Manager2
Firewall Manager0.5
GuardDuty3
Key Management Service3
Organizations3
Secrets Manager2
Security Hub3
WAF&Shield4
分析Athena5
Kinesis0.5
OpenSearch Service4
モバイルサービスAmplify0.5
電話サービスConnect0.5
アプリケーション統合EventBridge4
Simple Queue Service (SQS)4
Simple Notification Service (SNS)3
Step Functions4
メールSimple Email Service (SES)4

コンピューティング

  • Elastic Container Service (ECS)FargateBatchElastic Container Registry (ECR)Lambdaは、優先度5であり、最も重要なサービスです。これらは、コンテナ管理やサーバーレスアーキテクチャにおいて重要な役割を果たします。
  • EC2は優先度4で、仮想サーバーの管理において重要です。
  • Lightsailは優先度0.5で、簡易的なアプリケーションホスティングに利用されます。

ストレージ

  • S3は優先度5で、データの保存と管理において不可欠なサービスです。

データベース

  • Aurora for postgresは優先度5で、リレーショナルデータベースの管理において重要です。
  • DynamoDBは優先度4で、NoSQLデータベースの管理に利用されます。
  • ElastiCacheは優先度3で、キャッシュ管理に役立ちます。

ネットワークとコンテンツ配信

  • VPCCloudFrontAPI Gatewayは優先度3で、ネットワーク管理とコンテンツ配信において重要です。
  • Route 53は優先度2で、DNS管理に利用されます。
  • Elastic Load Balancingは優先度5で、トラフィック管理において重要です。

開発者用ツール

  • CodeBuildCodeDeployCodePipelineaws-cliは優先度5で、開発プロセスの自動化において重要です。

管理ツール

  • CloudWatchは優先度5で、モニタリングとログ管理において重要です。
  • Systems Managerは優先度4で、インフラ管理に役立ちます。
  • その他の管理ツールは優先度2で、補助的な役割を果たします。

セキュリティ

  • Identity and Access Management (IAM)Cognitoは優先度4で、アクセス管理において重要です。
  • その他のセキュリティツールは優先度3で、セキュリティ強化に役立ちます。

分析

  • Athenaは優先度5で、データ分析において重要です。
  • OpenSearch Serviceは優先度4で、検索と分析に利用されます。

アプリケーション統合

  • EventBridgeSimple Queue Service (SQS)Step Functionsは優先度4で、アプリケーション間の統合において重要です。

この優先順位に基づいて、AWSの各サービスを効率的に学習し、実務に活かしていくことが求められます。

OpenAPI Generator を活用した TypeScript 型定義の自動生成と整形

· 約5分
Macshion
Front-End Engineer

はじめに

OpenAPI 仕様を活用して API クライアントコードや型定義を自動生成することで、手作業によるミスを減らし、開発効率を向上させることができます。本記事では、openapi-generator-cli を使用して TypeScript 型定義を自動生成し、さらに生成されたコードを整形・最適化するスクリプトを紹介します。